2011年2月8日火曜日

N.S.P


ブリティッシュロック野郎に転向する前、フォーク野郎だったぼくですが、吉田拓郎、井上陽水というビッグネームも好きでしたが、たぶん一番好きだったのはN.S.Pです。NSPも充分メジャーですが、ビッグネームというほどでもなく、故天野滋の歌詞や曲想でわかるとおり、少し軟弱だったり青臭かったりするところが、ときに難解で理屈っぽい拓郎や陽水より身近に感じたんだと思います。

もうひとつNSPが好きな理由は、よりロックに近い(そういう曲調の曲がある)ところですね。もともとロックバンドだったというのはなるほど、と思います。彼らのアルバムは「ファースト」~「2年目の扉」までしか聞いていませんが、「いい」「コンクリートの壁にはさまれて」「待っても待っても」「なんて空だろう」「押したおしたい」等々、ロック調の曲がいいんですね。Charが参加したりして。

まあNSP本来の真骨頂は、「さようなら」を筆頭として「春はもうすぐ」とか叙情性豊かでちょっと切ない曲なのでしょうが、アルバムには必ずロック調で歌詞も世間を斜めにみている「青臭い」曲があって、そのあわせわざが魅力だと思います。

そういう意味で、今もときどき聞いたりして一番いいなあと思うアルバムは、ファーストのライブアルバムです。平賀さんのベース、天野、中村さんのギターというトリオですが、天野滋は曲によってアコギとエレキを持ち替えます。しかもエレキは思い切り歪ませたディストーションです。天野、中村ふたりのギターはNSPの代名詞でもある速い3フィンガーのデュオが正確でばしっときまってて非常にうまいのですが、天野さんのリードも味があっていいのです。叙情的なNSPとロックなNSPを、トリオでのライブというシンプルな設定で楽しめるので、このファーストアルバムはやっぱりNSPの原点だと思います。

天野滋のトークも楽しいし何度聞いても飽きないですね。

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